③生後10ヶ月ー1歳の離乳後期(乳臼歯崩出開始期)になると、上と下の乳前歯が
生え揃い、前歯で食べものを噛み切って取り込む摂食機能が獲得されます。また
乳臼歯の崩出が始まり、口角は咀嚼側が収縮します。それとともに舌は左右に動いて
(側方運動)、食べものを歯ぐきに乗せ、上下の歯ぐきで食べものをつぶし、咀嚼の機能が
獲得されます。食べものを飲み込む嚥下は拳上筋により下の顎が挙上されて、上と下の
歯が咬み合わせることで固定され、舌の先は口蓋に接する成熟型に発達します。
しかし不正咬合を持つ子供には、舌突出などの悪習癖が多いのです。
舌突出癖があると舌背は口蓋まで十分に挙上されません。多くの不正咬合に付随する
舌突出癖は授乳のための舌を前後に動かす未熟な舌運動が残ったものです。
舌機能の発達の過程で舌を上下動かしたりや側方に動かしたりできずに、前と後ろに
動かすことだけが残ったと考えられます。
埼玉県 北足立郡 伊奈町寿 服部歯科医院